「喫茶店ウィーン」by Rebecca Merlic
2025年7月26日〜8月3日
東京
ヨーロッパを拠点に活動するデジタルアーティスト、建築家、映像作家であるレベッカ・メルリック@rebi.me による個展「喫茶店ウィーン」が東京CONTRAST Galleryで開催されました。
喫茶店は単なるカフェではなく、コミュニティが育まれ、自分自身と静かに向き合うことができ、日常のなかで心を整える小さな空間です。そこには、お店を築いた人、働いた人、通い続けた人々の物語が静かに刻まれています。しかし近年、都市の再開発や世代交代の波のなかで、喫茶店の多くが姿を消しつつあります。
喫茶店をただ記録するのではなく、デジタル上で「記憶の風景」として蘇らせ、つながりを未来へと手渡すための、新しいアーカイブのかたちを提示します。
作家は日本各地およびウィーンの喫茶店を訪れ、オーナーや常連客との対話を通じて、建築、調度品や空気感までを3Dスキャンし、オーナーたちの声や身体も3Dアバターとして取り込み、それぞれの喫茶店が持つ記憶や雰囲気を繊細に再構築しました。また、実際に喫茶店で使用されていたカップや家具に加え、ウィーンのMAK応用美術博物館に所蔵されている希少な陶磁器を縫い合わせるように構成した、3点の彫刻作品も制作しました。
本作は2025年大阪・関西万博オーストリアパビリオンおよび、グランフロント大阪・ナレッジキャピタルにおいても、異なるフォーマットで展示されました。
